アクアリウムを始めると「水草にはCO2(二酸化炭素)の添加が必須」という情報を目にすることが多いですが、実はCO2装置がなくても元気に育つ丈夫な種類はたくさんあります。
こうした水草は、水中に溶け込んでいるわずかな二酸化炭素や、魚の呼吸から排出される成分を吸収して成長します。本格的な設備を揃えなくても、適切な種類選びとコツさえ押さえれば、初心者でも美しい緑の景観を楽しむことが可能です。
まず候補に入れたいのが「アヌビアス・ナナ」です。非常にタフな性質で、光が控えめな環境でも枯れにくく、深い緑色の厚い葉が特徴です。成長はゆっくりですが、その分トリミングの手間が少ないのも魅力です。
次に「ミクロソリウム」も定番です。シダの仲間で、独特の質感を持ち、和風・洋風どちらのレイアウトにも合います。そして、成長の早さを楽しみたいなら「ウォーターウィステリア」がおすすめ。光が当たればぐんぐん伸び、水質の浄化能力も高い優秀な水草です。
水草には「砂に植えるタイプ」と「石や流木に固定するタイプ」があります。アヌビアスやミクロソリウムは、根茎(こんけい)と呼ばれる太い茎の部分を砂に深く埋めてしまうと、腐ってしまうことがあるため注意が必要です。
これらはビニールタイや糸を使って、流木や石に軽く巻き付けておく「活着(かっちゃく)」という方法が最適です。一方、ウォーターウィステリアなどは、ピンセットで斜めに差し込むように砂利やソイルへ植えることで、しっかりと根を張って安定します。
CO2を添加しない水槽では、光を強くしすぎないことが成功の秘訣です。光が強すぎると水草の成長スピードと二酸化炭素の供給バランスが崩れ、コケが大量発生する原因になります。一般的なLEDライトを1日7〜8時間点灯させる程度が目安です。
肥料については、植えてからしばらくは水中の栄養だけで十分ですが、数ヶ月経って葉の色が薄くなってきたら、液体の総合肥料を規定量よりも少なめに添加してみましょう。控えめに管理することが、長期的に美しさを維持するコツです。
水草を健康に保つためには、定期的な水換えが欠かせません。古い水には水草の成長を阻害する成分が溜まりやすいため、週に1回、3分の1程度の換水を行いましょう。
また、古くなって黄色くなった葉や、コケがついてしまった葉は早めに根元からカットしてください。傷んだ部分を放置しないことで、新しい芽に栄養が行き渡り、常に若々しい緑色を保つことができます。
今回ご紹介したアヌビアスやミクロソリウムなどは、非常に低燃費で育つ種類であるため、CO2添加がなくてもまず枯れることはありません。ただし、成長スピードはゆっくりになります。
水草には「水上葉」と「水中葉」があります。ショップで水上葉として売られていたものは、水中に入れると一度環境に適応するために葉を落とし、新しい水中用の葉を生やす性質があります。茎がしっかりしていれば、そのまま様子を見て大丈夫です。
活着するタイプ(アヌビアスなど)であれば、底砂の種類は全く問いません。直接植えるタイプの場合、大磯砂などの砂利でも育ちますが、栄養が含まれている「ソイル」を使用すると、より根張りが良くなり初心者でも育成がスムーズになります。