金魚を飼育する際、最も重要なのが水槽のサイズと「水量」です。よく言われる目安は『金魚の体長1cmにつき水1リットル』ですが、これはあくまで生存可能な最低ライン。金魚は非常に水を汚しやすい魚であるため、実際にはこれよりも余裕を持った水量が必要です。
例えば、一般的な60cm水槽(約60リットル)であれば、和金型なら2〜3匹、らんちゅうなどの丸型なら3〜4匹程度にとどめるのが、水質を安定させ病気を防ぐコツです。水量が多ければ多いほど、水質の変化が緩やかになり、初心者でも管理がしやすくなります。
金魚飼育において「ろ過」は命綱です。金魚は排泄物が多く、そこから発生するアンモニアなどの有害物質をいかに効率よく分解できるかが健康を左右します。ろ過器にはバクテリアを定着させ、水を浄化する役割があります。
初心者にはメンテナンスが容易で酸素供給能力が高い「上部フィルター」や、水槽内に設置する「投げ込み式フィルター」が人気です。本格的に飼育を楽しみたい場合は、ろ過能力が非常に高い「外部フィルター」も選択肢に入ります。どのタイプを選んでも、フィルターの掃除は水道水ではなく、飼育水で行うのがバクテリアを殺さないための鉄則です。
金魚は胃を持たない魚です。そのため、一度に大量の餌を詰め込むと消化不良を起こしやすく、転覆病などの原因にもなります。餌やりは1日1〜2回、数分で食べきれる量を与えるのが基本です。
特に注意したいのは水温との関係です。金魚は変温動物なので、水温が下がると活動が鈍り、消化能力も低下します。冬場などは餌の量を控えめにするか、消化に良い胚芽入りの餌に切り替えるなどの工夫をしましょう。また、餌の食べ残しは水質を急激に悪化させるため、残った分は網ですくって取り除いてください。
金魚はその体型によって、適した飼育環境が異なります。フナに近い体型の「和金(わきん)」は非常に丈夫で泳ぎも早いため、水流があっても問題なく、広々とした水槽で泳がせるのが向いています。
一方で、背びれがなく丸い体型の「らんちゅう」などは、泳ぎがとてもゆっくりです。強い水流があると体力を消耗してしまうため、エアレーションの調節などで水流を弱める必要があります。また、らんちゅうは上から眺める『上見(うわみ)』で鑑賞するために作られた種類なので、水深を浅く保てる『らんちゅう専用水槽』で飼うのが伝統的かつ健康的です。
金魚を5年、10年と長生きさせるには、定期的な水換えが欠かせません。1〜2週間に一度、水槽の3分の1から半分程度の水を換えるのが一般的です。一気に全ての水を換えてしまうと、金魚が環境変化に耐えられず「pHショック」を起こす可能性があるため注意しましょう。
新しい水を入れる際は、必ずカルキ抜きを行い、水温を水槽内の水と同じに合わせてから静かに注ぎます。日頃から金魚の泳ぎ方やウロコの状態、エラ呼吸の速さなどを観察し、異変にいち早く気づくことが、大きなトラブルを防ぐ最大の防御策となります。
直射日光が当たる場所は避けましょう。水温の急激な変化やコケの異常発生の原因になります。また、テレビのスピーカー付近など振動や騒音が大きい場所も金魚のストレスになるため、静かで温度変化が少ない場所を選んでください。
基本的には『泳ぐスピード』が同じタイプ同士を混泳させるのが無難です。和金のように泳ぎが早いタイプと、らんちゅうのように泳ぎが遅いタイプを混ぜると、遅い方が餌を食べられなかったり、追い回されてストレスを感じたりすることがあります。
砂利を敷くと、ろ過バクテリアが定着しやすくなり水質が安定するメリットがあります。また、金魚には砂利を口に含んで掃除する習性があるため、ストレス解消にも役立ちます。ただし、角の鋭い砂利は体を傷つける恐れがあるため、丸みのあるものを選びましょう。